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『時代を超えて守られた永久不変の旨さ』 佐野実
ラーメン通なら誰もが知る今は亡きラーメンの鬼「佐野実」。
若い頃によく来集軒へ足を運んで下さいました。
いよいよ15杯目だぞ。今回は創業90年を超える、
東京ラーメンの老舗中の老舗の登場だ。
噂では明治後半に開業した東京最古のラーメン店、
今は無き「来々軒」を彷彿とさせる味とされている。
3歳の頃からラーメンを食べ始めた俺にとって懐かしい
郷土愁を感じさせる味なんだ。
だから、ラーメンの丼やらを買い付けに、合羽橋の道具街
に行ったときには、つい足を運んでしまうんだよ。
味はちょっと濃い目の醤油味、麺は少々太めでちりちりと縮れていて、
これにスープがよく乗っかってくるんだ。
この麺を啜った時に唇の上で踊る感じがなんともいえない。
良く味の染みたメンマも昔ながらの味わいだ。
このラーメンはスープの表面に脂が浮いていて、
いわゆる古典的な東京ラーメンの味より、気持ち、脂が乗った感じが独特でハマるんだな。
ラーメン界も変化が激しく、次々旨い店が出きて、
味を守り続けただけでは飽きられる。
なのに、この店は同じ味でも、
いつ食ってもやっぱりうまいなぁとしみじみ思うよ。
きっと色々な時代を乗り越えてくる中で、永久不変の美味しさってのが出来上がったたんじゃねえのかな。
佐野 実
※このページのコメントは「雑誌フライデー」より転載させて頂きました。
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